佐渡赤玉石ってどんな石 ?
佐渡赤玉石

あかい佐渡石が棄てたやうに

小径のわきに置いてある

これひとつだけが

この林泉の俗をうけない


  高村光太郎 「石くれの歌」より

佐渡市(旧両津市)の赤玉にある「杉池」神秘的な池です。この池を源流とする小さな川の岸からしか赤玉石は産出されません
佐渡市 杉池 赤玉 佐渡市 赤玉 杉池

赤玉地区にある説明書き

赤玉にある石碑です
佐渡市 赤玉 佐渡市 赤玉記念碑

 佐 渡市(旧両津市)の赤玉地区より産出されるものだけを佐渡赤玉石といいます。鉄分と石英が高熱と高圧で結合した石で、非常に硬く(硬度は6.5〜7.0)磨いたときに透明感のある光沢がでます。色彩の美しさは日本一と言われて日本三大名石のひとつとされます。
”赤玉”という呼び方には、二つの説があります。一つは玉のように一つずつ出てくるからだと言う説と、もう一つは玉(ぎょく)のような輝きをもつ石だから赤玉石というと言う説がありますが、現在では後者の説が一般的です。
天正18年に真野俊隆が佐渡産の赤石を豊臣秀吉に献上したことがあり、このときは”朱真石”と呼んだといわれます。
古事記や日本書紀にも赤玉の歌があり、この歌が佐渡産の赤玉石に由来するという学説をとなえる人がいるが、定かではありませんが、弥生時代より加工され、勾玉や管玉として装飾品に使われ、江戸時代にはキセルや財布の根付などにも使われました。適度な大きさのものは、磨いても自然のままでみても良いことから観賞石や水石として珍重され、また大きなものは、庭石として使われました。
庭石としては石組みに使うものではなく、必ず一石を庭や玄関等の目立つ所に置き眺める飾り石です。ネット上に磨いた赤玉石を佐渡赤玉石の庭石として載せていますが、佐渡赤玉石を「つくばい」や「手洗い」を作る以外に磨いたものを庭石にはしません。

 古くから朱(赤)は魔を払うと言われることから、佐渡赤玉石は縁起の良い石といわれ、佐渡では家の玄関や床の間に家の守り石として飾られてきました。しかし、昭和57年以降では産出量はほとんど無くなってしまい、非常に貴重な石になっています。

 佐渡赤玉石には、色々な楽しみ方があります。一つは全くの自然のままを活かした庭石や水石としての楽しみ。水石で見るときには、硬い質の良い石だけではなく、柔らかさを表面に持った、皮付きの石や、一部糸掛け状になったもの。岩石の上に一部分赤玉がついたものなで形の有る石が、侘びさびを感じることから、好まれます。また自然の形を活かし、少し角を取り色彩を目立つようした「樽磨き」「ペーパーがけ」をした物。完全に鏡面磨きの艶を出し色を楽しむ丸磨きの赤玉石。磨きをかける赤玉石は水晶質の多い硬い石が、きれいな色彩を放ちます。さらには、小さくしてアクセサリーや勾玉のような物を作ったりもします。現在では、水槽のアクセントとして使う方もいます。このように、その方の趣味や見方により赤玉石の価値は違います。水石で観るか、色を楽しむ観賞石として観るかにより、極端に言えば正反対の価値になります。

 弊店は昭和30年代から昭和57年にかけてほとんど一手に赤玉石を採掘していました。粘土層の中から出てくる赤玉石は、1m採掘場所がずれても、色が違いました。よく赤玉石は、手の切れるような角を持っていることから、大きな岩盤の石を割ったように思われますが、この状態のまま一つずつ出てきました。大変面白い石だと思います。また、専門誌やネットに角のないものが、自然石として、紹介されていますが、その様な状態の赤玉石で形の有る石は、皆無と言って良いかと思います。ご参考までに下記の「採掘されたままの佐渡赤玉石」をクリックして御覧ください。

       
       採掘されたままの佐渡赤玉石


 
 


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